【活動実績】日本薬剤師会による災害支援活動

災害支援活動
 日本薬剤師会が行う災害支援活動として、5月6~10日の5日間、益城町総合体育館で支援活動を行いました。
 今後の薬剤師の支援活動の質・効率を向上させるため、支障のない範囲で活動内容などを公開しています。

活動概要

日本薬剤師会派遣薬剤師 兵庫チーム第5班
日時:2016年5月6~10日(4泊5日)
場所:益城町総合体育館
状況:電気〇 水道× ガス×

具体的な活動内容

①避難所の巡回・声掛け
1.生活改善の指導
2.OTC配布による対応
3.救護所受診の推奨
 …という3段階のトリアージを、避難所全体を巡回しながら行った。特に、エコノミークラス症候群・熱中症・日焼け・各感染症に対しては重点的に注意喚起を行った。手の空いた時間は「傾聴」を意識し、被災者の話し相手として巡回を行った。

②支援物資の整理
 
本震から3週間が経過し、被災地の需要も急性期から慢性期のものへ変化しつつあった。そのため、大量にあった支援物資を「今後も必要なもの」と「今後は不要なもの」に仕分け、必要なものをすぐに見つけられるよう整理した。

③薬剤師会チームの業務統括・引継ぎ支援
 
他県の薬剤師会チームは1泊で入れ替わるため、業務の統括・引継ぎが混乱していた。そのため、現在の業務と活動中のチーム、引継ぎ先のチームを一目でわかるように掲示板を作成し、確実な情報伝達を徹底。
 また、益城町総合体育館全域の地図や、どこに避難者が居るのかの見取り図も作成し、支援活動の効率化を図った。支援活動の業務引継ぎ掲示板
(上図:業務引継ぎ掲示板)
 薬剤師会が関わっている支援活動の全容、どの県のチームがどの活動を行っているか、次にどのチームに引継ぎを行えば良いか、がひと目でわかるようになっている。また、必要な資料もこの掲示板に準備し、抜け・漏れのない引継ぎを徹底した。

④人員の増減に対応した業務の優先順位・潜在タスクの洗い出し
 
現地では情報が錯綜し、今後は活動が縮小に向かうのか、避難所集約により拡大に向かうのか、先の見通しがわからなかった。そのため、人員が不足した場合にどの業務を切り捨てるのかという優先順位付け、増員されて余力がある場合に行うべきタスクを各県のチームから情報収集し、活動内容を精査した。

 

支援活動は、細かなタスクの集まり

 災害支援活動に対して、「自分が行っても足手まといになるだけだ」と躊躇する薬剤師は少なくない。実際、薬剤師経験もまだ浅い自分が行って何の役に立つのか、自分も悩んだ。
 しかし、実際に支援活動を行ってみると、「薬学の超専門的な知識が必要な精密な作業」といったものはほとんどなく、「誰にでもできるような細かなタスクが山積み」になっている状況だった。

 つまり、何か薬剤師として物凄く優れた技術・豊富な知識が無ければ役に立てないというわけではなく、山積みになったタスクを一つずつこなしていく意気込みと体力さえあれば、誰でも役に立てるのだということを実感した。

 それでも実際の参加に不安のある人は、日本集団災害医学会の「災害薬事研修(PhDLS)」などに参加し、必要な知識や技術を予め身につけておくなどの準備をしておくべきと思う。

 

行政とも、顔の見える関係作りを

 たとえ薬剤師の意見が100%正しくとも、急に現れたよそ者の意見をすんなりとは聞き入れてはくれない。

 そのため、薬剤師として意見を述べる前に、まずは行政などとも「顔の見える関係」を作っておく必要がある。何かの要件がなくとも会議などには積極的に出席するなど、薬剤師がどんな活動を行っているのかをもっと知ってもらわなければならない。

 職能云々の前に、こうした関係性作りにおいて薬剤師は意識不足であることを痛感した。

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